イエローダイヤ・マン

 僕は、作家に、なれなかった…そう言い残して父はこの世を去ったのに、信じられずに今も佇む。これは、一体どういうことなのか。作家にしじまひめると表記がある。まじで?めっさか?ほんぽん?嘘だろ?どんなに言葉を出し尽くしても、史実は動かない。父がこのことを知ったら、どんなに喜ぶだろう。僕はしかし、父を追い越したわけではない。僕よりはるかに優れた人物だった。ひとことで言う。四文字で表したい。聖人君子だ。そういう人に愛された僕は、世界一幸せな子どもである。