デニム・ブルーママン19の7

 

男子と女子を両方併せ持つ容子の難局は交互に来ていましたが、どちらの容子も本人であることは間違いない事実。類い希な行動力を駆使して、無事に乗り切ればいいと、安易にはなれない私がいました。しかし、甘やかすことは避けたかった。本人がとことん苦労しないと何も見えてはこないし、こちらが手出ししても、将来的な意味は生まれない。全面的に支援する方向性は見せてはいても、経済面は別と捉えていた私。あちらのお父様も、厳しいルールを持っていたようです。生活者としての手強い一面です。正しい稼ぎ方に徹することで未来は見えて来る。音楽を通して得られる収入は決して多くはない、ましてや、バンドマンです。お互いが協力し合う精神的な度量が鍵だったのです。