アクアマリン・マン71

 

 悲しいことが襲いかかってくると、容子は普段の倍は強くなるというのに、決定的な言葉を受けて、すごすごと後退してしまう。そういう気持ち、僕は重く受け止める。容子のアクの強さは実は万人に嫌われる。なにも容子を嫌ってそういう発言する僕ではない。声が十代なのだ。みんなもこのちぐはぐを聞いたら、きっと、なぜ、嫌われるかを納得出来るかと思う。しかし、悪い印象で受け止める女性ばかりではないことを僕も了承はしている。好感度として受け止める人も中にはいて、そこまで悩む必要はない。しかし本人は高いテンションで仕事をして、皆に好かれている、或いは役に立っているとそう、勘違いをしていたのなら、逆に、(おめでとう)って言ってあげたい。オーナーが時間を三時間にあらかじめ変更した優しさや配慮が身に染みる。僕なら組織の倫理がソッコー飲み込めるからオーナーの気配りがわかる。先に想定して容子の六時間を三時間に短縮したのだ。辛いことが起こらないよう、十二分の愛を注いでくれたことも今にして思えば伝わってくる。そういう心の深いオーナーのもとにある容子が僕は羨ましく思えるほどだ。トップに擁護をされている今こそ異次元の力を振り絞って踏ん張って欲しい。ココイチバンの勇気が必要な場面だ。嫌われていようと構わないと僕は思う方だ。そこまで意識してくれてありがとう・・・くらいの豪快さも欲しい。今の容子は、きっと怖いのだ。まだ、書面でしか連絡の来ない、日テレ債権回収社のドコモDカード負債、そしてプランネルが残っている。そこがクリアになれば、はちきれんばかりの笑顔が戻ってくる。金融のプロだった僕も容子を監視することが出来なかった。生きている間に気が付かず今は見守ることしか出来ない。☆まるたかにて☆