ブラックオニキス・マン168

 百歳カードを家に忘れて、昨日の母は心の中であらゆることを想定して気が気ではなかったと思う。想像だが、五%引きにならないっていうことで、家族に叱られることをまず現実問題として捉え、頭打ちになる。なんとかカードなしで、五%引きにならないか?そこを狙うがどう考えても難しい。気生真面目なスタッフだからだ。しかし以前一回だけ、女性スタッフのとき、それがしてもらえたことがあった。60歳以上は五%引き。このお陰で月にして1500円相当、安く仕上がって助かっているけど、どうだろう。それを適用してもらえないとくれば家族に攻め立てられてしまう。なんで、忘れたの?何やってんのよ?って。いつも財布の中に入れているのに忘れたのは店で百歳カードを写真に撮ったことが原因だった。そして部屋でも撮影してみた。みんなに知らせたい。グーグルガイドでもっとみんなにこのカードのことを・・・でもそれが裏目に出たのだ。以前、一回だけそれを提示しないでゴパー引きになったときは、ここまで色々考えず、相手がそうした。今回はしておきますね?って。レジに店用のカードがあってそれにスキャンするだけだ。しかし真面目な店員には出来ないことだ・・・融通が効く方がおかしい。母は諦めて今回は家族に叱られてもやむない・・って腹を括り先にレジに行く。食べたのは庄屋うどんと銀ひらすを入れた4つの単品。現金で支払う場面だった。家族に現金2000円を預かっていた。百歳カードは?って尋ねられ、忘れましたって答えた。じゃあ、今回はゴパー引きにしておきます!!って言われて天にも昇る気分に心が活性化する。家族にもカードを忘れたことはバレなかった。なんていうご加護だろう。365日、ここには日参しているからだろうか?こういう御加護はきっと忘れない。10月4日だ。安くなった分がご加護として跳ね返り、母は、365日のうちの一回だけ忘れたからでは?って思うのだ。人が人に優しくなれるのはこういうときなのでは?って。