デニム・ブルーママン15の13

 中3になってすぐ、不幸の手紙が容子にはがきで届きます。それを読みすぐに五人の友達をチョイスしてお友達家にそれぞれはがきを出す。文面はこういうものだったと思います。この手紙を受け取ったらすぐに大好きな五人にはがきをだしてください。それを終えればあなたの役目は果たされる・・っていう文面でその通りに書いて容子は早速ポストへ投函してにんまりしているのです。そして当時は今みたいに相手の住所がわからないのよね?は全くなく入学したらすぐに全員の住所が印刷された紙をもらうことで住所は明解だったこと、わからないなら友達に言付けて尋ねることも可能で、容子は自分に来たその葉書が結構学年でも人気のある、バンカラな少年であったことで好感を持つのです。かっこいいの最先端で、少しひねくれた斜め目線も気になっている・・って。しかしそのあと、こう言うのです。これは不幸の手紙なんかじゃないわね、むしろ・・・幸福の手紙よ。だって、好きな人、五人にすぐにはがきを出して・・っていう文面でもわかる。好きな人が特定されてもらった方が気がつく、あたしを好きなんだな?って確約が取れる。私も表面上の不幸の手紙とは相反するこの遊びの重鎮を読み取って、いいことなら活気づく・・・はあると思う。そして自然と好かれたり、告白したりすることはきっと生徒間の積極性を倍増しにしていくのだろうか。しかし母親ですからそれ以上は言わないでおくのです。