デニム・ブルーママン13の15

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 ひとつだけどうしても心配なことがあって万博行きを断念させたい気持ちがあった。それは中1の2月に一回初潮があったのに途絶えてしまったことです。二ヶ月目が出血も少量でそのあと、まったく生理の気配がなかった。医師に相談するほどでもないと暫く様子見の段階。しかし二年生に進級してもまったく始まりはないのです。そんなとき、旅行中に急に生理に見舞われたときを想像して申し訳無さも立ちます。血液の汚れは除去出来ないからです。なかなかクリーニングに出しても難しい。容子にそのことを話して諦めてもらおうとしていた矢先、彼女は人の心が読めるせいで、こう切り替えして来た。お母さんが心配していることはよく分かる。でも最初は小さな出血よ・・・そのときに生理用品を購入しても遅くない。伯母さんだって女子よ、対処はわかっているって。私はここまで切り返しに遭うとだんだん弱気になってきます。兄は容子を純心幼稚園の運動会でひと目見て、利発そうだ・・って言ってくれた。確かに兄の家に行っても粗相ばかりではないかもしれない。あまりに低く容子を見積もっていた自分と向き合います。でも・・・・最後の締めがあったのです。容子をギャフンと言わせるチャンスが存在したのです。バレーボールの練習は?それが途絶えたらどうなるの?レギュラーの座はいない間に取られてしまうのでは?その時だけは容子の横顔はすっかりてんてこまい。しかしすんなりとこう言い切ったのです。怪我をしていた・・・そう捉えればどうかな?って。