デニム・ブルーママン12の15

 一番の理想を容子はまだ掌握していなかったものの、私の三食昼寝付きの待遇に、得体の知れない美味を嗅ぎつけていたことは間違いのない処です。たっぷり与えられた時間は本人の力量次第では、噴水にも、逆流にも、差し替え可能な状況だった。私は自分の態度を根本から見直し、身を粉にして家族の為に奔走する主婦を見せなくても良かった。反面教師として私は怠け者の専業主婦で充分だったのです。あの子は恐らくは家庭を描写したい気持ちでいたのです。1日に何も達成のない怠け者の主婦を描きたかったに違いない。ひとつ、間違えば離婚争議にまで発展する話でしたが、私は最低限度はやり遂げたのです。通知表で採点してオール4は採れていた主婦だったことを自負していたのです。f:id:hn0709:20211216232012j:plain