デニム・ブルー・サファイアママン6の3

 何か問題が起こったとき、そのつど即座に個々に対応すればいいのでは?と考えを保留にしながら容子とお風呂にいく準備をして電車に乗ります。長崎は電車で行ける圏内に居住すればほぼ安い運賃でどこにでも行けますが、今回は田舎です。夫の実家は電車で降りてあと20分以上はバスで揺られないといけない。お風呂も長崎の繁華街にあったので、これからは、そうは行けないだろうと私は最後になることを踏まえて、自由を満喫するのです。親子水いらずの生活はことの他、楽であることに後日必ず気がつく・・・そこを思うと湯船に浸かっていても心配になるのです。自分はみんなと一線を画する積り・・・って強い所作をまず選択はしていても強引に相手の出方に参ってしまうのでは?怖じ気付いてしまうのでは?自分の心とは裏腹に容子は祖母たちとの交流を愉しみにし、弟の誕生を心待ちにしてあれこれ想像して話しかけてくるのです。お産をする病院は私が生まれたところ?いいえ、今回はその近くではあるけど、別の病院にしたの・・・そうなのね。容子はまるでベビーシッターになったかのように、うきうきと心弾ませているのです。予定日は?5月18日よ。それならその日に必ず生まれるの?そうではないときも、ある。なぜ?なぜ?ってちゃんと生まれるには自然の法則が関わってくるからそれに従うのよ。陣痛が起こる。そうなんだね。容子は風呂の中で誕生の瞬間を予期しながら出産というものを真剣に捉えていたのです。