イエローダイヤ・マン1260

 僕はきっとみんなをがっくりさせた。三十五歳と言いつつ僕の年齢は違っていた。大きく展開したその嘯きの態度が、きっと皆を失望させたのだろう。だが、気持ちは今も35歳のまま。どこに変化もなく若いまま。なぜこういう芸当が成立するのか?っていうと僕の収入が物書きとしてゼロだからだと思う。年収のある人間の顔は見えない誇りに満ちている。僕はそういう美しい顔を見るたびに、嫉妬に燃える。しかしそれがあったとして何の役にも立たない。嫉妬は逆に出さない方が人に好かれる。僕はだから逆球を放れる。馬鹿に徹することにしたのだ。技術もなく写真さえパソコンで送信出来ない僕が唯一写真を送信出来るのが、すまほだった。しかし最近はこの写真さえ、ノーの区域になる。怒りも湧いてくるが僕はいっこうに表面的には焦らない。物事を決めるのは年長者であるはずが違って来ている。僕は若者に従うべき自分の弱さの奥底も読み切っている。若者を軽んじてはいけないとまで思っている。たとえ・・・ニートであっても僕は相手を尊重してその言明に耳を澄ます。年長者の特権は耳を澄ませることが出来るという裏ワザである。しかしもう少しは我慢できてもやがて僕の勘忍袋の緒は切れるだろう。強制されたり縛りを設けられるのはもう御仕舞にしたい己がある。今はまだいい。しかしいずれ僕の心は決める。行き先は自由の大地だろう。