デニム・ブルー・サファイアママン4の17

 兄や姉、そして妹とは若干違う戦後を私は運命的に選んだのかもしれない。最初からしかし専業主婦になろうとは思わなかった。鹿児島師範を出た意味が失せる。しかし誰にも会わずに主婦が出来るのなら、もしかしたら選んでいた可能性あった?って振り返っているのです。私は職業婦人になりながら、しかも夫も教師であありながら、どこか不遜な自分を抱えていたことが言える。自信がないのにそこに拘る。自信の源はやはり父親の職業だったと思うのです。亡くなって海軍少将を頂いたときの感動は忘れない。しかしあくまでも数日です。なぜ、一緒に若い兵士たちを巻き添えにしないといけなかったのか?確かに桃に数十名は助けられてはいたけど疑念は残った。鈍いけど確かな疑念です。また戦地に駆り出されていく運命は変わらない。父だけが名誉を頂くのは深い意味があったの?それとも勲章自体がすでに意味不明になったもの?私の疑念が晴れないまま、時間だけが繰り越されていった。兄を含めた姉妹たちの話を聞くたび刺激は貰い続けていた。あなたは充分にいい環境にありながら、何を迷っている?悩んでいる?っていう切磋琢磨な言葉たちが飛び交い、特に兄には褒められるのです。いい旦那さんを持って幸せだな?って。ついて行ければ必ず幸せになれるぞ・・・って。兄の言葉は非常に重たかったのです。しかし喉元を過ぎればまた私は、ヒステリックな自分に戻っている。この繰り返しだったのです。