デニム・ブルー・サファイアママン4の3

 学業を怠らないということは学習能力の要になっていてそれを毎晩させていく習慣こそが大事ではあった。しかし言葉通りには中々いかないのです。もしもみずから率先して指先が動き、ページをめくっていたのならそれは法外なこと。そこまでは中々到達しない。まだ、三歳ということもあって、この子に何かを強要することは避けるべきだったのです。しかしみんなが同じスタートライン、今まさしく、ホイッスルが鳴ったと同時に走り始めていたと仮定すると・・・私の頭の中で競争意欲も起こって止められないのです。子供はほぼ何も感知していません。能力が開花するにはそこで牽引出来る人が必要になっていて、迷わず私は自分だと思っていたのです。しかし・・・ここに躓きの原因が隠れていたのです。よしんば才能があったのならそれは図らずも神の与えた天稟。だとすればそこで母親にはあまりできることは実はない。お金も懸けず、ただ、黙って指を銜えているだけ?それも違います。才能は、長い間を経由して段々ついてくる型式ともうひとつ、型式が別個であったのです。短い期間に醸成し、みんなの目の前で完成を見る。私は後者が望みだったのです。バイエルを教習させながら、この子は本当に音楽が好きなのか?って一瞬疑うこともあったのはあった。けれど、基本は大事だったのです。