デニム・ブルー・サファイアママン2の4

 私達夫婦の入籍は四月十六日。1956年です。容子が生まれる三ヶ月前。どんなに慌てて入籍だったか?そこを鑑みるとまだまだ迷っていた自分の存在に驚かされる。しかも教員をずっと続行出来るか?まで及ぶと甚だ疑問符が蓄積していたこと。しかし別れるのなら、なお、教職のカードは捨てきれず、かといって彼の庇護のもと、専業主婦になる気持ちにもなってはおらず自分の心を整理しきれてはいなかったのです。しかしアパート内で全く境遇の違う女性と友達になったことで、ひとさまの身の上話を聞くことになる。彼女はいつ家を出ていくか、それとも収まって今のままで我慢を続けて行くか?相当迷っていた。このアパートにはそういう人はいない・・って思っていた自分の思い違いに、実は、意外な側面を見るのです。彼女は当たって入居しているのになぜ、ここまで旦那を毛嫌いしているのか?それもあるし、まだ、知りあったばかりの私に向かって、なぜ、思いのすべてやを吐き出してくるのか?全く分からず女性の心理学を紐解く事態へ自分は追い込まれる。まだ26才の若輩者の自分と違い、少しお姉さんでした。しかも彼女はくたびれて、疲れきっている。私が結婚を怖がったのもわかるでしょう。籍を入れたのが生まれる三か月前のドタバタ劇だったことが証明しています。