僕の出番もとうとう二十編を切って残り少なくなってきた。それでもまだ、言い足りなかったことは?って色々頭に浮かべてみるが蛮勇文脈な姉によって言い尽されて残ってはいないようだ。姉が一人で二人分の弁当をたいらげてしまった感じすらある。その食いっぷりだろう。僕達はもしかしたら男と女が入れ違っしまったのか?とそう考えたりもする。僕は女性の凛とした表情や、控え目なしぐさが好きだが、姉にそれを見た記憶は一回もない。ほぼ姉は金の無心に伯母の家に来ていたし僕も同類項だった。なぜ、ふたりとも考えることが同じなのか?って苦笑いも生じた。目的は常に符合。ふたりとも金にあっぷあっぷしていた。可愛い金魚が金魚蜂でアップアップするのは、空気の酸素が足りてないから?そうではなかったということだ。人間社会は金がすべてよ!?っていう若者の気持ちに僕は寄り添っている。そのことに関して姉がぶーぶー腹を立てるのはおかしい。自分だって金が欲しくて伯母の家を再三再四、訪問してたくせに若者を非難する。金のことばかりを若者は追求するっていう言葉自体が似つかわしくはない。芸術家はもしかしたら金がない!!って中々言えないし言わないのかもしれない。最後の一粒のプライドがあるとしたら?だ~もんで僕にはそれがない。プライドなんか、とうの昔に、朽ち果てて、スッカラカンだ。もしもそのプライドが姉に残っているのなら、そおっと拝んでもいい。奇跡にも相当する。