Ss225

 僕にとっての姉は秀才のお手本、人を気遣うことにかけても秀でていて、全く初めて姉に会ったとしても全員を打ち解けさせる巧みな話法も包括している。自分を立ててくれるのだ。そういう人は世間一般に多いと思いがちだが、初対面の人を導く手法は余りない。そこで彼女が何から人を判別するか分かればそれが起点になる操作術だろう。彼女は人の心が読める。GPS機能まではないが、人の所作がどこから来ているかその源流を見分ける能力にたけている。例えば僕は人から物を貰う時、逆に貰わない時がある。僕にはプライドが旺盛にあって、相手が僕を見下しているな?っていう場合、僕にだってそこは見えている。だから絶対に貰わない。しかし伯母の家で僕は、仏壇の上に飾ってある果物や冷蔵庫の中身ほぼ全部を頂いた。土産の高級お菓子も押入れにはあってそれも頂戴するが・・・この場合、相手は僕を見下してはいない。身内でも見下している人間がいる場合、僕は受け取らない。菱義〔ひしぎ〕な性〔さが〕だと思う。これには三菱が架かっている。長崎は特に三菱に背中を向けられないし、足を向けては眠れない。僕も今日から姉を追い駆けて新語開発に加わった。菱義という二文字の意味は相手は、ど偉い存在だけど、愛を感じてやまないっていう具合に採ってもらっていい。奇しくも伯母の旦那が三菱様。口を酸っぱくして言っておく。僕が土産物を受け取り不可の人材になってはいけない。僕が快く受け取る人材になれればこの先間違いはない。