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 僕がまだ赤ん坊のころ、僕達家族は二階を住居としていた。狭い十段以上の暗い階段を昇っている時に姉は気が付く。長い蛇がにょろにょろと二階へ昇っている。きゃ~~~っと叫んで姉がみんなに知らせたのも分かる。姉は咄嗟に二階の揺れるベビーベッド眠っている僕を蛇が襲わないか??そこをキャッチしたのだろう。赤ちゃんを襲うのか?それとも、食ってしまうのか?まだ、生まれたばかりの僕は小さい。母もそれを聞き気モチ悪い方が先に立ってゲロを吐きそうになる。しかし母は実の処、キモッタマ小さくて、まず祖母が退治に掛かる。殺さないで生け捕にするのが一番いいって。しかしながらそんな簡単には捕まらない。見たのは昼だったのにその日は夜まで蛇捕獲の為にみんなが駆り出された。従兄弟のヨッキちゃんが一番怖がり屋だったが、正当なことも発言する。蛇を殺すなんてやっちゃいけない。崇りがあるんだ・・・って。姉はヨッキちゃんの言葉は気にはなるけど、このまま放置していればいつでもコンニチワ!ってやって来そうでこのままではいけないって。姉の前で蛇は殺された。殺す積りなんか最初はなかったけど、段々、人々の気持ちはエスカレートしていったのも必然だっただろう。取り押さえるだけで、殺さなくてもいいとは誰もが思う。しかも蛇が赤ちゃんの首を絞めて殺しはしないのに・・・。これも人間のエゴイズムのひとつだろう。