姉はとうとう結婚に於ける差別的な言葉を発見する。それも偶然だったという。めとる・・・これは普段なかなか使わないが、上流階級ではまだ死語にはなっておらず、男が結婚で妻を迎えるという意味。しかし男本位の言葉だと姉は着眼する。そしてマ行を姉方式の思考回路で順次出していく。まとる、みとる、むとる、めとる、そしてもとるだ・・・。この五つに結婚が凝縮されていることをたった今発見しさらに推考している。男が妻を迎えるだけではなく、実は女だって夫を迎える時が実際にあるのに、言葉としてはない。これがすなわち日本の差別なのだ。女性優位の言葉も新語として作る必要性もあるが、そこは次回に置いてこの、ま行に結婚の総体が凝縮してあるとのこと、早速話して貰おう。ま、間を獲る。二人で決める時に時間が掛かるし、まを置こうとのやんわりした協調。これが結婚に不可欠。そしてみとるは実を獲るだ。ふたりが築く家庭にとって実になることをそのつど決めていく・・・そうでありたい結婚だ。無・・・これがもっとも重鎮かもしれない。ふたりは、元々は全くの他人だった。赤い糸によって結ばれたこと、無はむしろ、いい意味で使う。原点回帰することの大事さ。めとるはご存じのように妻を迎えるおおらかな寛容の精神。もちろん女性の側から発声してもこの言葉は生きる。差別抜きで活かすべきだろう。もとる・・・実はこの最後の言葉が締め括る。何かに満たない、足りない、達しないって言う言葉、もとるだが、これは二人で埋めていくべき課題ではないだろうか。マ行にはこうした結婚の真髄五つがあった。これには裏も5つ存在する。それは次回に...。