ピンチをチャンスに交換しながらスリリングにも人生をまっとうしていく。言葉ではいつでも言える。けど、おいそれとは行かない。人間には安全志向マニュアルがある。誰だって危ない橋を渡ったりは御免という平常心がある。すべての事象にこの傾向は見られるし、物語の世界にだけ与えられた特権がもしもあるとするのなら?想像力と創造力が拮抗するフィクションの中での思考域かもしれないとは概ねの予想としてあります。紀行分野やナチュラリズム以外の人間本来のドロドロしたもの、それとは真逆のさらっとしたもの、人の世に浮遊するあらゆる自由感覚を、時空を跨いで、お互いの境界線を見つけながら接触を試みる。それが川柳や狂歌のトップバリュでしょう。人の世ほど美しくかくも儚いものはない。だからこそジョークや機転が生きる。私は何を為すべきか?それがみんなを奮い立たせます。私の場合は転嫁と点火、天下、添加、店化、この五つを目標に準備しました。それぞれの人物を通しながら世をスケッチして行く者への要請・・・。読者は真実のストーリーなのか?よりも自分の考え方にやがては的を絞り軸を獲るよう変化していく。この読者の変化にこそ価値がある。作家の磁気が強いならそれなりにこの国に変化は訪れてしかり。磁気が皆無の場合だって想定しなければならない。平等の二文字を勘違いしてはいけない。個々が新しく立ちあがって来る。