エメラルド・ウーマン7

 父が口を酸っぱくして常に私たち娘に説いていた言葉は次のようなセリフです。いいなあって思える人に出会えたとしても、相手は堅気。そう思って諦めなさい。しかしこの言葉の意味は深過ぎて、3人娘にはさっぱり分かりません。すぐ上の姉はさっさと結婚して、次々に5人の子宝に恵まれ、残った私と、妹美知は、父が言いたかったことは、未来を暗示してはいまいか?とお互い口には出さずこころにしまい込む。そんな父は弟の出征も見ないで心不全で1942年に亡くなるのです。堅気と思って諦めなさい。なにゆえに?美知も同じように鑑みたことは想像出来ました。