姉が望むものは金銭ではないだろう。僕が思うに著作権だ。人はそれを度外視して全く姉の著作権を重視する方向性を取らなかった。認めなかった。姉が最初に出版した販社だ。三年で著作権は無効でかなりの心労を余儀なくされたかというとそうでもないようだ。姉はもともと誰も知らない本を作ることが内心にはあったという。誰も知らない作家。ここに根源があって、思索もそこからすべて生まれた。何もこの”よみびとしらす”をしたためた作家がいようといまいと全くの無視で、ここまで来たことが逆に佳かったのだ。姉の意図したとおりにコトは運んだ。それもこれも嶌にあると僕も思う。仲間でもラインで西嶌姫瑠を見てハンドルネームだとわかったはずだ。しかし・・・この嶌がすまほで出ては来ない。ここに姉の策略はあったとすれば姉が可哀そうとか僕は思わない。思えないのだ。小さい時から僕は姉の魂胆をもっとも近い場所で見て来た。常に刑事コロンボばりの頭がある。このことを迂闊に扱っていたら負け組。たまったもんじゃないぞ?って今からイキリ立っても遅い気はする。姉が睨んだ通り事は進み、しかも今度は休みも取る。ここに誰もが、僕でなくとも懐疑を抱く。これまで、しゃかりきになってしたためて来てそれが本望って言ってた人間の割に、変わり身が速い。迂闊とウカウカは僕はセットで同義語だと思う。そこに対する構えがなければ姉の行動に今後ついて行けなくなる。