スノーサファイア・マンss1 僕は影武者としての第一歩を今朝から歩むことになって何から始めたらいいのやらてんで分からない。しかし僕は誰の影をむしゃむしゃ食べて行くのか、その辺だけは解っている積りだ。そこが不明では影武者は務まらない。もしかしたら僕は本命の為の、単なる駄書きかもしれずそれでもいい♪って引き受けた。なぜそこまでの魅力を感じたか?理由はひとつだ。作家、そして歌人でもある西嶌姫瑠のたった一人の血を分けた弟だというその希少価値に僕は注目した。一億二千万人中のひとり。姉を手本としてずっと来て道を誤ったと聞いてなお情が走るのだ。彼の心にはきっと武勇伝が一杯あるのだろう。もちろん姉への尊厳も同時にあって、なぜ、二度の結婚を経ても幸せになれなかった?なども奥底には沈澱しているものと思われる。僕はしかし影武者として採点する。二回共、結婚生活を姉は謳歌しながら消耗、逆に伴侶の方が災難だったのでは?とすら思う処はあって、旧来型の妻にはあるはずの楚々として夫に仕えるが全く見られず、伴侶はどちらも辛かったのでは?と案ずるのだ。しかしあくまでも僕の憶測。違った処に真実はあるかもしれずいちがいには言えない。僕は父親の教育に不備があったのでは?と疑惑を狭めている。もしも父親が、英雄論に傾かず、子供達の気持ちに準じて動いていたのなら??いや、死者に鞭打つなんて外道も外道だろう。僕はやっぱり二人の両親をまず歓迎しよう。そしてご両親が歩いた教育ファーム、学校と家庭という田んぼと畦道をじっくり拝見するべきと思い直すのだった。