いよいよ僕の千日の案が緊迫を帯びて来た。千日のアンと言ったのも中学二年で先生が引率して映画に連れ出してくれたからだ。もう一本がエデンの東。僕達は感動のるつぼに誘い込まれる。中学二年というと思春期のまっただなか。敬虔なクリスチャンである担任が提案して社会見学の形を取って中二の全員が映画鑑賞。しかも街まで県営バスに乗って繰り出すのだ。こういう企画はいいなって僕にはあの時の感動が頭の隅に残っている。実際千日のアンは全く記憶に残っていない。しかしエデンの東には感動した。どこの国も同じなんだな?って家族との軋轢に悩む、恋に傷付きながら燃える、そして人生に迷う・・・こういうリアルを映画はじかに心に伝えてくる。ノックもせずに強引に割り込んで来る友達よりも、ある意味ヤバいって僕は思う。昨日も僕は違算を出して先輩に二十円支払う。先輩はたかが四十円ってな顔でにこにこしている。この前の五百円の時とは違う女神の微笑みで、別に今日でなくともいいのよ、立て替えておくって。しかし僕は丁重に半分の二十円支払った。バイト終えて車に戻って再度店に戻るとやっぱり買い物してしまう。グラタンコロッケ旨いし安い。120円だ。ファミマの揚げもの冬の陣でこれが一番かもしれない。ハワイアンモチコチキンは品切れで買えなかった。人気の商品を車で運転しながら頬張る。こんなに満ち足りた幸せはない。