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 僕は今まで金策に走り回っていた。もともとカードの引き落としは毎月27日に掛かっていたものが、今回は様相が異なって、5月7日が引き落としだった。そのことが次の危機を招いていた。僕は5月7日の引き落としが終わった次が、5月27日になっていることに震撼する。つまり五月には二回引き落としは掛かって、三週間後には次の引き落としが控える。なんという緊迫だろう。四月に引き落としがなかったと言うとそれまでだが、僕は全く回せるお金がない。別に5月10日にも16マンのご利用代金が落ちていて今度の27日のお金を、どうしても工面が出来ないことに真っ青〔マッツァオ〕になる。こういう時には親父しかいない。どうしても金が必要だからと、詳細を伝えず頼み込んだ。親父はなぜか機嫌がいい。なんでだろうって僕は心配し、当初は言うのも憚られた自分の苦悩を蒸し返す。しかし母には頼まなくて良かったと芯から思った。僕はなんと母の日のプレゼントもすっかり忘れて、金銭の飢餓に陥っていたのだ。父には僕の貧相を母には伝えないようにお願いした。親父は分かってくれて、しかも返金はいいから♪と太っ腹なのだ。僕は俗に言う、リボ払いの地獄に陥っている。カード脱却を誓いながら又、カードに依り頼む生活になっている。特に六月は八月のボーナス払いで返せるっていう強みはあって、そういう時、カードの力は無限大だ。つまり人間は弱点を抱えている。本当に困っている時に気持ち良く立て替えることが出来る力量こそがカードの魅力だと言える。