Ss103

 僕はとあるスーパーで買い物を終えて、自動レジで精算しようとして声をかけられる。精算レジの番号は決まっているのに、僕が違う精算機の前にいたからだ。一目で以前どこかで一緒に働いたことがある女性だと分かる。声に特徴もあってお互いに久し振りなのに、僕は自分から声を掛けることは出来ず出て来た精算レシートを持ってスーパーを出た。もしも自動レジでなく、最後まで顧客対レジ係の精算スタイルなら声を掛けることは出来ただろうか?いや、僕がどこで一緒に働いたかを思い出せない限り、向こうもいまいちだろう。僕が住むローカル都市でも、去年までに、ほぼ全部のスーパーが自動レジになったが、疑問符も抱く。人がいて、最後まで精算に関与するレジに愛着がある。そういうレジを一つ残すことが今後のスーパーマーケットの命綱になると思っている。