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 四回打席があってその内の一回ヒットで二割五分、そこを思うとヒットになっていてもおかしくはなかったあの弾を僕は残念な気持ちで後追いする。ダイレクトに受けたその選手の守備力をどこかで恨めしくも思った。それもこれも大谷を本気で応援しているからこそだろう。改めて浮き彫りになったトラウトも同じくチームバッティングを第一に置いている。自分はフォアボールでも一塁に出て次の打者のことを常に心がける精神が美しい。今日は特にあのシーンに僕は感動した。トラウトが弾をキャッチしたカルフーンの肩に手を掛けて、豪快に笑うシーンだ。まるでカルフーンが年下のようだが、反対だ。トラウトがやればすべての仕草が報われる。この選手が走攻守に於けるMLB 界のトップアスリートであることは間違いない。しかしそれよりも僕は気になることがあった。打席に立った大谷が二回もヘルメットを落としたことだ。これは決していい兆候ではない。