アクアマリン・マンa49 俺はここ十年初でメタボ検診を受ける。最初に尿を採って、血液を採って最後に診察。先生の顔を注しで観て驚く。なんと三十代も前半かという若者なのだ。そのことで俺は逆に頼もしさを感じて、そういえば...と話掛ける。ここには確かジムもありましたよね?ええ、ジムも院内にあります。俺はせこいことを頭に描く。そのジムって会員料はどうなっているんですか?ああ、それなら無料です。ここで手術した人々の為の施設でしたが、段々とリハビリだけではなく、患者さんの希望を入れている内に院内ジム化して来て、今はここの患者さんなら誰でも入って体を鍛えることが出来るようになっているんです。俺はシマッタ!!と思う。年間パスポート十万円をすでに12月にジムに支払ってしまった身だったのだ。もちろん返還なんか恥ずかしくて言えない。俺は検診が終わってそのジムを見学させてもらう。マットや跳び箱があって、懐かしいけんすい棒もあるのだ。患者さんの要望を全部聞いている内にこういう体育倉庫前みたいな様相になっているのだという。そう言えば、体育倉庫の前には必ず砂場があって、みんなで走り幅跳び走り高跳びをやったものだ。そこには必ず巨大タイヤが埋め込まれ、みんなでそれを飛び越える練習に明け暮れた。遊びの中に体育を上手に組み込む俺らはその道の天才だった。そうか、俺は高飛車にもジムに高額を納めてしまったが、ここにたまに来て運動もいいな!!ってそう自分に言い聞かせるのだった。