サファイア・マンs232 その男の子は一学年上で家に卓球台があって、遊びに行った記憶が一回しかなく、やはり男の子が女子と遊ぶというのはちょっと気がねもあったのか、随分遊びたい気持ちに駆られはしても、家まで行くことは勇気が要って、ちょうど耳にしたのは絵画教室に在籍しているという巷のニュース。小学校四年生になる前の頃です。ちょっとした短い期間その絵画教室に行くのですが、グループがあって写生に出掛ける時にも一緒ではなく、自分は何の為にこの絵習いに来たのかな?を子供なりに考えた一時期。この男の子は美少年で地元の名士の家に生まれたことでエリートを歩かないといけない道のりがすでに決定済みなことを悟るのです。その絵心を刺激して違った趣にも精通させたいと親御さんの狙いゆえの絵画教室だったんだろうな?って。本人も絵が好きなことは見てとれた。私は先生に、君が描きたい場所、或いは果物、品物がきっとあるはずだ、人物画でもいいんだよって言われ、はたと考え込みます。恋以外にそんな書きたいものが、描きたいものがある?って。しかし不思議なことに恋をしているその当時は心は充満して、少年の仕草のすべてはそれこそ絵になっている。ここがもしかしたら争点になる?って。ほなあいきまひょ。絵心は 少年をさらに 輝かせ 有難きかな 親の企み