ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔128〕その工作少年が別のクラスにいることがわかるとキャロルは休み時間彼を観察に行くのです。特別ハンサムではないし普通の少年なんですがキャロルが感じていたのは同類項の意識で彼が幼稚園時、かまぼこ板で作った船がとても興味深く忘れられなかった・・・。船の輪郭には手すりとして緻密に釘が配置されその周りをこよりでデザインしていたのです。恐らく看板から人が落ちないようにでしょうが工作や絵画のセンスを持つ人々の幼少とはこういうものではないのか?人とは違う創作についての拘りです。その男の子は寡黙で飛び跳ねたりがない替わりにいつも構想が頭の中で展開されていてキャロルは自分も同じかも?って。同類項の意識が漂っているな・・・って。面白くて気さくな人は一杯いても同じ触覚を持つ人類はそんなにいないのです。キャロルは小学校時代に短期間ですが絵画を医師宅にちょっと習いにいくんですね。それが自分の本領分野ではないにしても、その一年はやはり貴重だったと今思うんです。