ルビー・ウーマンr275 台所は火の車でありながらエイミーがその家で焼肉の作り方を伝授するはずはない。やはり、経済的な料理を教えてくれる。このことがようちゃんにヒントを与えるのです。彼女の日常はほぼ肉だった。いつもそういう華やかな食卓にあって、そっちの方が実は彼女は熟練しているのに、この家では教えることにはなりません。貧富の差異でした。おかず代を小まめに操作し、肉や野菜を確保するのにも場所を選ぶ。スーパーで売り出し!!を見てそれに合わせる献立かもしれません。しかし赤ちゃん誕生ということで彼女もうきうきになって、心ざわめき立っている点も否めません。少し太っ腹になっているのです。四日目はすき焼きでした。エイミーはやはり、肉のコーナーで白い油の小ブロックを調達して来ていました。これをフライパンで泳がせて油で鉄を馴染ませて長ネギと肉をさっと炒めるのです。しかも丁重なのはそこで一旦火が通り過ぎないように肉を出すのです。後はどんどん野菜を入れ込んで行きます。エイミーは笑顔で、すき焼きも作ろうと思えば豚でも大丈夫だよ?を言うのでようちゃんはドキっとします。豚はまだまだその時代は人気から疎遠だったと言えます。それなのに先駆者エイミーならではの識力は点灯していて、柔らかい部位を選べば美味しいし、うちでもしょっちゅう豚は活躍している。ええ?エイミーの家が豚肉?ようちゃんはびっくりしたのです。