ルビー・ウーマンr272 私は二日目のスーパイコにも特別の愛着を持って指南を受けます。すーぱいこは母の好きな甘酢あん掛けメニューで十八番でもあったからです。しかし鶏や豚肉が苦手で、なるべくそれを使わずこの料理とコロッケだけは母は店屋ものを購入していたのです。母の食事には以前言ったように、ピーマンやニンニク、そして鶏肉がない献立でそれを見事にエイミーはバックアップしてくれて手を合わせるのです。もちろん豚でも使用可。これらは最後にミックスするのでゆっくり構えていていいようで、実はから揚げに勝負魂は潜んでいるとエイミーは解説する。から揚げは手を抜いていいという代物ではない説明にようちゃんも聞き入ります。どんなお味なんだろう。その片栗粉の説明に聞き入っていてもお味が気になります。エイミーは笑顔で材料代だけしか取るまいとするので、私は強引に持たせた日もあった。しかしほぼ受け取らなかった記憶です。彼女は来るべく私の激甚貧乏を先読みして強靭な精神の布教に来ていたなど、まだ、母親の資格も持たない私が気が付くはずもありません。親友として、商売人の家で育った優秀な子弟として、彼女の憂慮は杞憂ではなく予稿だったのです。この結婚には将来的に不安だらけを思いつつも、彼女は絶対にそこを吐露しません。エイミーは遠慮を前線に出して恐るべき大将を隠していたのです。