ピーパー・ウーマン《ジュエリー・ボックス編》〔260〕私は極端なオーナー達を一杯観て来たの。潜入しながら実際アルバイトをして見てきたから。ええ?実際に勤務してですか?ええ、オーナーが旦那で店長が妻ケースがほぼ全部だったけどこういう慣習を打ち破っていかないと、そして、もっと大事なのは商売を回転率だけで考えると大失敗するということなの。煙草コーナーを絶対外に作りたくないオーナーはやっぱり夜の徘徊者を恐れる。しかし夜に置かないというと昼も煙草は吸えないってことになる。どう思う?俺はオーナーの権限だと思います。そう、私は最近翁が言った言葉に打ちのめされたの。ゴミを捨てていく缶コーヒーのお客さんを私はかんかんに怒ってたのに、彼は日常のごみまで捨てて行った顧客を叱ってないの。それは?わからなかった。全然理解出来なかった。缶コーヒーの会社の人達が大変な思いをしてしまうのが目に見えるから。でもそれだからって私がゴミ箱をいじるのを彼は許さない。それは解ります。マレさんの文豪の指を汚させたくないから?ええ、私の実力を家族は知っている。そしてそれに輪を掛けてこの推論に行きつくの。顧客は神様っていう論議ではなく、顧客が出す副産物に寛容になることで得られる資産があるってことなの。