アクアマリン・マン《真春と真秋の間編》〔18〕俺は心底のんびりしたことがないなあって、振り返る。何も考えず、日本のどこかを旅してみたい衝動に駆られるし、そういうヒトコマもないまま人生を終えることが名残惜しい。オリンピックもパラリンピックも観ている時には興奮しているが果たして自分の人生の名場面は?そこまで考えてしまうと虚しい気持ちに襲われる。俺は就活という人生のスタートでつまずいた。そこをわかっていながら認めようとはしなかったという浅はかさだ。皆がしゃかりきになって、社会人として奮闘するとき、俺はひとり、部屋で煙草を燻らせていた。去年おとどし、ワールドシリーズが始まる直前のカーショーの記事が俺の頭を初期化させる。何と彼は、自分の体は十分休息が採れています!!とロバーツ監督に申し出ていたのだ。俺はいつもいつも休息が採れていた自分を嫌になる程、持て余していたとも言える。ニートには、休息が採れ過ぎるということは実は良くないのだ。それがいつか惰性になって、惰力の根源となっていく。俺は自分がいいなあ!!って思っていつも聞いていた楽曲が、ようやく題名がわかってスッキリする。なんとチェリーというスピッツの楽曲だったのだ。これまで、題名は解らなかったがずっとこの曲のファンだった。これからは正々堂々と公表しよう!!俺はこの曲が大好きだ!!と。