アクアマリン・マン165

 容子が喜び勇むのも分かる気がする。本来ならレンジャーズの有原のことを思うべきが少し、視点が日本女性とは前後すると思う輩っちもいるだろう。しかしレンジャーズでダルが達成しようとしてあとひとつ・・・というところまで行ったことを思うとダルの試合を見ていた僕も果報者である。あとひとつ・・っていうとき、仲間が獲れる球ではなく、ダルの身体を潜り抜けていったあの球。しかし彼は世界一の微笑みを見せる・・・なんていう男だ?って僕が感動したのは言うまでもない。あの微笑みを常に俺はあいつに言われる。駄目になったとしても笑顔で最後まで終える心根の強さ・・・それこそが、日本男子が掴まないといけない、真っとうな心・・・と。しかし俺ならカッカ来て怒るだろう。なんでジャンプして採れないんだ??って。ダルが達成しようとしていたのは完全試合。未完だったが、あいつが、実際は観てもないのにそれを言う点がしばらくの間、解せないでいた。知ったかぶりでも何でもない。テレビで残念さを言う放映を幾度かすぐ見たのだろう。いつもあの微笑を会得して!!そしたらあなたの人生は開花するって・・・僕は心中、穏やかならぬものを維持していた。絶対にダルみたいな微笑、俺には難しいし出来ない。くやしさが先だからだ。マズグローブの快挙、僕も称賛しよう・・・ダルビッシュを参考にしながら大きくなって来た投手ということがそうさせる。パドレスの全員がこれを機にさらにやる気を起こすことは免れまい。