サファイア・マン《緻密な男編》〔171〕シゲルちゃんは審査部にいましたが、そこを統括する部長の家にはじきじきにお願いに行っていたこともあって、ようちゃんの窮状は部の皆が知るところ。しかし電話をして来たのはようちゃんが生後七か月の赤ちゃんを抱いて天神イワタヤの横にあるカフェまでお邪魔して直訴していた上司でダンディを絵に描いたようなバンカーでした。その方が電話口で、審査部のみんなを招いて奥さんを紹介するパーティを開きたいんですが如何ですか?というもので、目から火花が出るくらいに嬉しかったのですが、まだ、これが本当の話なのか、計画を立てている段階とおしゃったことにこちらも慎重になるのです。城山別館の一室を借りて盛大に、結婚式が無かった分、打ち解けて下されば、僕としても嬉しい!!って。でも、その時、家を奥さんは留守にしてしまうから出来れば実家のお母さんに福岡に来て貰えればいいですね?そこを事前にお願いしたくて電話を入れたんです。な、なんという温かい人だろう。ようちゃんは電話が終わるとすぐに母に連絡を入れます。まだ、はっきりした日時は決まってないけど、一泊で福岡に来て欲しいの!!いよいよ職場の皆に私を紹介してくれるらしいのよ!!