昭和三十七年、三月入行の俺の初月給は一万円。寮費や税金を引かれ九千円残り、俺はしょっぱなからは無理だったが、二年目位から三千円を貯金に回す。最初の一年は背広や靴を揃えたりクルマの免許を取ったりで出費の方が嵩むものだが、俺は最高に幸せなバンカーだった。あの頃は、どこか牧歌的で、寮も今思えば楽しかったなあって回想する。何人か八畳間にいて、先輩の中で柔道をしていた人がいて、いつも俺を倒しに来た。先輩だから何も言えない。今思えば苛めだったかも?とも思うがあの頃、西暦1960年代はなにせ、バンカラだった。強いものは強さを誇示して良かったし、後輩行員は投げられて終わりだ。あの頃の方が随分風通しは良かったかもなあって、なぜならその後に、日本の高度成長が始まるからだ。今の日本にあるのは言い訳だけだ。そういうおぞましい現場にならない為に、俺達夫婦もこうしているのかもしれない。同じ時間が与えられて、それを有効活用出来る人間になれれば幸いだ。デルスカイは英語で行ってみたい。ビコース アイリブインタイム セイム アズ ユー ハピネス イズ ニヤ~だ!!