アクアマリン・マン《真春と真秋の間編》〔11〕俺はそんなにウィキペディアを読んで感動することはないのだが、枝野氏の生い立ちを見る機会があって、そこにこうあるのだ。東北大学に合格したら弁護士になろう、そして早稲田大学に合格したらジャーナリストになろうって。これは俺の事例にぴったりで、怖れ大きいことだが、俺はこう決める。母が今幸せで自立が出来ていたなら俺は母に会うまい!!しかし苦難に満ち自活も出来ない窮地にいるのなら会って色々今後を話したい!!って。それもこれも枝野氏のウィキペディアを拝見しなければ出てはこなかった構想だけに慎重に大事に捉えている。もしも母が元気でリッチで、飛ぶ鳥を落とす勢いにあるのなら、俺なんかがどうこう言う立場ではない。自分は家庭的破産者も同然、しかし母親が不遇なら俺は喜んで助け船を出したい!!俺は不思議な視座を貰い、そこで愕然とくる。なぜなら不幸である方が人から助けてもらえるという果敢な位置でバイタルエリアと言えないだろうか?探偵事務所からの報告は来週だった。俺は一部屋をどこかに確保出来ないものかを掃除しながら探している自分に驚く。そして久し振りに息子の部屋を開けてみる。涙が零れてくるのも当然だった。