アクアマリン・マン《真春と真秋の間編》〔27〕誰もが一攫千金を狙う一瞬があって、頭に描いたその残像をしたたかにも後生、頭に置くのなら新商売向きだろう。俺の友達にも移動販売車のオーナーになっている者は数名いて、その頑張りを聞く時に、いつも勇気を貰う。なんでかっていうと大抵、赤字覚悟で始めていて、その赤字にどっぷり浸かっていながらまだ、将来の夢を捨てていない点が馨しい。そういう奴の弁論を聞いていると、フラストレーションが吹っ飛んでしまいいつか爽快感に包まれる。彼らは捨て身なのだ。しかもフランチャイズに金を納めてしまい自分は移動販売で売れ残ったものを食っているという生活。俺はそこで可哀相とか惨めだなあとか、思わない。そういう奴に限って女房が元気で共働き。二人が同じ目的に向かっているっていう夫婦ばかりで新鮮なバナーを俺自身が培ってしまう。世界に広しといえど、日本ほど、評価の割れる国はないとそう見ている。鼻くそほじっちと前監督をけなしていたサイトの面々を省けば、この国には、未曽有の原動力があってしかも、それがまだ稼働すらしていない。この国に生まれて運が良かったな!!って俺は西野監督ウィキペディアを読みながら溜飲を下す。彼が大阪出身とばかり思っていた自身の早トチリを猛省したのだった。