アクアマリン・マン《真春と真秋の間編》〔31〕俺のように毎日をのんべんだらりと生きている者は類をみないし、最近、にわかに不動産の本を片っ端から読んで時間を潰している。俺のような人間、もしかしたらいるかもしれない。何か資格持ってないと世の中から弾き出されるような不安感。思い込みかもしれないが、知識を入れることでどうにかこうにか日常の弛みを元通りにしようとの努力の跡は見られる。しかし一向に、とことん闊歩してやり抜くぞ!!とか暗記するくらいに学習して国家試験に合格してやる!!との闘志は見えてこず、不動産投資の本を読みながらも、どこか冷めている自分の思いがやる瀬なく、例えばそれは諦めにあるのだ。俺ががんがん学習したところで、どれだけの向上があるのか?とかどれだけ人様に影響を与えることが可能?って疑問符が付く。これだけ、二十代で貯金しました!!っていう不動産投資の本を読破しても俺の心は虚ろ。何を持ってそのことが正しい!!と証明が付くのだろう。成功者は大袈裟過ぎる!!と俺は一喝する。そんなに簡単に金が貯まるのなら、いちいちそれを人に伝授しなくともいいだろう?って。要するに投資をして欲しいからその人数を当たっているだけなのではないのか?って。俺の疑心暗鬼は只ものではない。