イエローダイヤ・マン《標榜編》〔316〕俺は昨日ほっともっとのプラスチックカードを忘れて店が近くなって気がつく。前夜手入れをしていたからだった。俺は潔癖症なのだ。学生時代はそういう兆候がなかったのに今こうして出ているのも菌に敏感になったこともある。俺がそこまで菌に敏感になったことが毎日帰宅してからの行動に現われていてこそばゆい。隠しておきたいことだったからだ。気になって仕方なかったさんまの蒲焼き弁当を購入する。何だか心まで取り替えたように爽やかだったのは秋の刀としたためてさんま・・・ということを知らなかったからだ。この煮物群がいい。筍に舌鼓を打つ。俺は手毬弁当を思い出す。随分前にセブンイレブンがこしらえていた円形の弁当でサトイモが入っていた。これからはサトイモ、カボチャ、そして大根の出番だ!!と強く感じる。俺が言わなくとも名乗りを挙げて来るだろう。今年は東北で秋刀魚の漁獲高が芳しくなかったというのにこのほっともっとの凱旋はどうだろう?俺としてはこれに九十八点をつけていい!!と思った。イカや蓮根まで天麩羅にしたサービス精神とぎりぎり五百円まで行かせなかった企業としての踏ん張りを思う。秋の刀としたためて秋刀魚。俺のペンもこうありたい。秋の刀くらいの切れ味が果たしてあるだろうか。