ルビー・ウーマン《黎明編》〔127〕あらゆる商売には盲点があると思わないかね?それはイエマスね。例えば前回のフリーマーケット時の失敗だがそれを網羅検証することに俺は意義自体見出すが、脇田大佐ならこのわたしの部屋、どういう運営を考えるかね?俺はまず欲張りません。と、いうと?俺たちはこう民衆に宣伝しましたよね?なんのことかね?スローガンです!あああ、欲しがりません、勝つまではだな?はい、この言葉に含みがあって今回のキャロルの商売欲と密接な関連あると俺は観ています。そうかね、脇田大佐は血が繋がっているからそれは後にしてもらえないか?というと?俺は血族ではない部外者だから逆にバランスが取れているとは言えないかね?というと?脇田大佐は情実の塊だったと俺は分析している。うう・・そこは否定しません。情実塊の人間は気さくで律儀の好人物ではあるものの、嫌われても何かを遣り通すことが難しくて、お前の孫だが、これは生まれながらのいわば嫌われ者だ、そこが類希なるこの国における希望をすでに含有していると俺は見ているのだ。そうすると俺よりもこの容子の方が将来性あると?悪かったな、端的にいえばそうだ、その起点をはっきり前々から言いたかった。わ、わかりました。スタート地点でのミスがすべてを決めてしまうから言うのだ、厳しいようだがな?は、はい。