脇田大佐も同様にくやしがっている。なぜ?なにゆえに?大事な用件を忘れるのだ?って。あの漱石の千円札をゲットして財布の奥にしのばせていればイイコトあったろうしお守りにもなったろう。それなのに一体何をしてるんだ?って。何もかもカマンベールのせい。今キャロルはセブンのチーズに嵌っていてこの円形の箱に入った奴。そして今朝はより高級なカマンベールを買う積りがレジで外したのだ。二百円くらいオーバーしてしまい泣く泣く外した。そういうのやこういうのがあって肝心の漱石奪還を逃してしまう。脇田大佐は逃したものの一度手にとって仔細を調べたキャロルの様子を見逃さない。ディティールまで綿密に観察。なぜこれが一万円札の場所に隠れていたかが分からず尋ねる。六時の君が、今の千円札とは顔が違うでしょう?ああ!そうだったのか~キャロルは言われるまで気が付かなかったのだ。お札のどこかが破れているばかりと。ほなあ脇田大佐、喜一郎定食お願いします。遺憾にも 浮世の漱石 キャロスルー〔本当に忘れていただけなんだ、でも漱石側からすればキャロルに獲得して欲しかっただろうにゃにゃん〕