俺の板垣退助の札束を全部自分のものにしてしまったキャロルが一枚の千円札ごときで今朝は自分の失策を話すのが俺には解せない。なんと店に夏目漱石の千円札がマイコンで来ていてそれを帰り際、自分の普通の千円札と交換してもらう積りがすっかり忘れてしまったというのだ。幸先が良かったのだという。この新春八日から夏目漱石に会えるなんて・・・。しかも一万円札を入れるのと同じ場所で待機。交換してあげていいわよ~って店長は交換してくれたはずなのに記憶障害のせいだ。次はこれをしましょうよね?!と自分に畳み掛けても、それがその時間帯になっても立ち上がって来ないのだ。この夏目逃し事件がちょっとやそっとではなく尾を引くのは必至だろう。それにしても今思い出すのは板垣の百円紙幣だ。俺はこれをキャロルに強奪されている。それなのに何を今更夏目なんだ?しかも普通にまだ市場に出回ってあるはずなのだ。デルスカイしておこう。浮世の漱石だ。