サファイア・マン《かけがえのない男編》〔63〕東高サッカー部だった二男に特別講義を受けてキャロルはひと回り強豪になっています。サッカーのときにもAチーム、Bチームとあったそうなんです。なんのことやねん?って訊くとAっていうのは勝ちパターンの時のメンバーで最強の布陣。Bは練習試合やAがずっこけたときの負けパターンのチームで、キャロあの大リーグをふっと思い浮かべる。勝利の方程式時の投手と負けパターンの時、出て来る投手が違うっていうことですが、二男はいけしゃーしゃーとこれは人生でも言えているっていうんですね。サッカーやって巧いやつはハンサムで、頭も良くて伴侶もすぐ見つかって三十代来る前に結婚。しかし・・・サッカーやってそうまで巧くない奴は、顔もフツーで二十代がけっぷちに差し掛かっても恋人さえまだいない。見つかる予定や兆候もない。ふ~んって頷きながら、こいつテレビ局に入れば良かったのに?っていうくらい分析力が凄いんです。Bチームのサッカーメンバーで昨日カラオケに行ってそのメンメンと交流して益々自分の観測が軌道に乗ってしまったって苦笑いするんですね。若い彼も三月が来れば二十八歳。がっけぷちはマジカと迫っています。キャロルは提案します。Bチームとはいえ、何か優れるものがあったはずだぞ?って。