ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔118〕天才は自分の資質というより人生での役割を生まれる前から既に知っていて、長い間の労苦を思うとええ?と驚愕するのです。周囲が良すぎたっていう感慨。両親、そして最初の夫、二番目の夫。どれもこれも主人公に匹敵する資材の持ち主。父に至っては、半生の記を松本清張の三部作をキャロルに紐で綴じて持ってきた。みんな真似してはいけません。著作権違反です。キャロル本を中々読まないことを知って、父は後生大事に扱うように県立図書館で借りてコピーしたものを三冊作成して持ってきたのです。一億円の形見よりもこれは上。最近父の粗相が始めてわかるんです。三部作三作目、早く渡してやりたいと焦ってたのか一枚原稿が逆さまになっているので、戻すと、その部分がどうしてもはみ出る。父は丁寧に上下に穴を開けて綴じていた。逆さまにすると間隔が合わないし、亡くなって十ヶ月も経過してそれを発見。キャロルには相当沢山の本を与えたかった父ですが、途中で、キャロに司令は入るのです。そんなに容量はないぞ!お前はお前の人生をいずれしたためなければいけなくなる・・・。キャロルは素直に従います。自分は沢山の本を読みたいけれど恐らく司令側は恐れたのでしょう。感化され過ぎる傾向をキャロルが持つのを知っていたのです。