ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔105〕キャロルの決定的な気付きとなったあの転園した幼稚園でのクリスマス劇。ここで示唆をもらいます。一番目の天使の役を取れず、キャロルは二番目の天使の役をゲット。マリア様は地元富裕家庭の子女でした。マリアさまの役っていいなあ・・・ってキャロルは心底うらやましがります。自分は二番目の天使の役でセリフは確かに多いけど、マリア様には勝てないって。マリア様がなぜ凄いのか?っていうと、心が素晴らしいからです。その素晴らしさの根源とは?幼少ではあるもののキャロルは無償の愛を筆頭に挙げます。普通のニンゲンでは持ち得ない処のこの深い慈愛をキャロルはなんとなく想像します。これは優しい父ですら、いまだに持ち得ない愛。それはなぜか?と探求すると、やはりマリア様が女性特有の神秘なものを持つことに離合するのです。ええ?離合なの?思い返しながら、キャロルの思考は迂回します。自分の母親にはそういう点での魅力が皆無だったからです。しかし母が持っていなくとも自身が編み出すことやいつか持ちうることは実際あるのでは?と。マリア様の女性は後のキャロルのピアノ復活のキッカケになります。彼女は小さい時からピアノを止めず、とうとう中3のときに中学校体育館で演奏、それがランゲの花の歌だったのです。