こういう時にさっさと飛行機に乗れるっていう奴は、元バンカーの現代人だね、キャロルなら長距離バスを選ぶし、長崎から名古屋への直行出てて、それしか搭乗は無理。どうも飛行機のフラフラ感が精神を深く傷つけるし、雲が真横に見えるのも頂けない。後生乗る予定はないのだが、シゲコは逆にキャロルが高速バスは?って訊くとキレる口だ。なんで俺がそんな遅い乗り物に乗らなきゃいけない?金持ちの俺が?そしてどうも奴はこの高齢者割引に酔ってる。しかも三男が重症だというのに男だからこういうことは人生に何回かはあるさ!と妙に元気なのだ。キャロルは手術の日までがとても怖い。無事に終わるのだろうか・・・三時間は掛かるらしい。それに入れた金属を取り出す手術もあと一回必要になるのでは?と。何しろ医師からの電話は午前四時前。固定電話に掛かって本当にびびった。今夜はバイトが十時までだから、シゲコからの電話を取れるのはその後になる。