サファイア・マン《緻密な男編》〔38〕ここでお~いお茶の時間にしましょう。人生には余裕というものがなくっちやあ。今朝バイトから帰ってきて、素晴らしいモノが身近にあるのに気が付きます。これは店から余ったからあげるよ?っていわれてもらった付録。なんとウォーリーを探せのビーチ敷物なんです。じゃらんと言う雑誌ですが普段は括らなくていいのに今朝のは括る、そうしないといけないと強く思ったというのもわかります。コンビニ十一年の彼には勘がある。これはみんなが欲しがる品物に違いない!って。キャロルは今日実は827円の自腹を切って、残念至極。元気なかったんです。客は買い物を済ませ、千円チャージしてすでにそれをレジ打ちしているのにその千円を新たにお預かりにして、お釣りを渡そうとして、引っ込めました。お釣りは保留。これは被るのなら自分のお金に違いないって。チャージで顧客が入れた分は取り出すことは出来ないのです。顧客はこれまた、いい方なんです。済まない、いいのかね?君にとっても悪いことをした・・・って。お客様の千円チャージは丸丸残っている。そして買い物された827円分をキャロルが支払った形。お釣りはもちろんキャロルのものですが、数学に弱いキャロルが同僚に相談して確認したのは当然です。がっくりして、時間給以上を失ったものの示唆があるんです。にゃらん、ウォーリー、カバン、おけを探すんだ?って。これがキャロルの示唆力です。辛いことがあっても、努力を惜しまないキャロルにはこういうことが日常茶飯事なんです。