サファイア・マン《かけがえのない男編》〔31〕結婚に対して悲観的に懐疑的になる男の気持ちよくわかるし、少なくともまだニッポンでは男が女を養うという実相はあるようですね。キャロルがもしも文学や音楽に造詣がないのなら、ここまで家庭を描こうとは思わなかったかもね。人生に必要なことは各人が自立すること。それを自立自営と称して伯母は発破をかけました。あなたのお母さんの教育方針が悪いのよ、大佐になる程の父を持ちながら、戦後は誇りや伝統を捨ててしまった、もっと夫を立てれば良かったけど、お母さんにはそれが出来なかった、それを観てあなたがどう対処するか?なのよと。なぜか夫を主人と呼び、家にいるのは当然家内で、このカナイという呼び方がキャロルは大嫌い!息子達が結婚しても嫁をカナイと呼んでいたらぶっ飛ばします。奥さんもダメです。苗字が奥っていう男は大変になる。じぶんと奥さんの分け目がなくなるっていう話でしょう。新語占いにかけるとダーリン∧ダルコになりますね。アメリカ的ですがとってもカワイ~イ!!まず結婚となると人生はふたりで時間を分けながら、相手が嫌がることを極限まで減らしていかなければいけません。キャロルは十三歳年下妻。相手を立てるふりでごまかしました。自分は本当は、文学や音楽での大成をもくろみ、ついでに天下も狙っているのにあえて言わなかったのです。なぜなら、そういう物言いをすれば相手は構え本音が本性が出せなくなる。だからやつを自由に泳がせることにしたのです。平常心に気鋭が混じる年代まで居てお互いをわかり合えたと?