親友ってのはとても大事で、俺にも同期がいる。意外にも、同期に会いたかったり、もう会うこともないさ、と強がったり俺の気持ちはめちゃくちゃ動く。本来なら会いたいのだ。しかし、まだ気持ちが固まっていない。あの事件以来、俺は確かに勤務し、四十年間の行員生活をまっとうしたのだが、その後うつ病のようになり、親しかった行員ともほとんど交流しなかった。キャロルからの三行半もあった。俺は降格人事から豹変してしまった。性悪説に立ち、家族にも辛くあたった。自分が捧げた年月はなんだったか?それを思うと毎晩が針の布団だった。俺のいた新大工支店はダイソーも近くにあり、カフェになっているそうだ。お手製のケーキにカウンター。俺が最期の二年間、耐え忍んだ場所だ。華々しいカフェとしてずっと踏ん張ってくれれば本望だ。