サファイア・マン《緻密な男編》〔9〕昨日それこそ、長女が来て、真実を聞かされました。母親のキャロルが驚愕したのは、自分には何も聞かされてはいなかったこと・・・。彼女が24歳を過ぎた頃に、話が伯母からあったそうなんです。もちろん同じ父を持つ長男にも・・・。実父からの会いたいというコンタクトです。それはあるかも?という感じでそこまでは驚かない。問題なのは、長男の弁なんです。姉のことをユカちゃんと呼ぶんです。不思議な姉弟。ユカちゃんが会うのなら、俺はユカちゃんと絶縁するって。こんなことを言うこと自体がキャロル、信じられない。なんでかっていうと福岡の理美容学校に行くときにこの長男はシゲコと一年住んで苦労していた。殴られるなんて日常茶飯事。ちょうど単身赴任でシゲコも福岡勤務。息子はちょうどシゲコがドライヤーを頭にかけるときに限って、トースターにスイッチ。それで電気がダウンして停電。そのたびに殴られていた。朝食はゆで卵、バナナ、牛乳、そしてトーストだったんです。息子はまだ15歳。当時の理美容学校、ちょうど息子の年度まで中卒でも佳かったし一年だったのです。シゲコに温かいトーストを食べさせたい一心で、電源入れる時間がドライヤーの時間帯と重なる。可哀想に・・・。キャロルはいたたまれなくなって、もうシゲコが大嫌いになるんですね。そういうイキサツ上、まさかの事態。姉が、本当の父に面会なら、姉と縁を切る??わからなかったけれど、やっと昨日わかりました。長女が言うには父としての責任を果たした方を採るべきだと・・・。