サファイア・マン《緻密な男編》〔7〕キャロルが入店したのは、1982年8月21日、長崎大水害翌月になります。離婚を決心、七ヶ月と二歳七ヶ月の子供を預けてお水の世界に飛び込むもののその前の経験を話さないことには意味がまるでわからない。いきなりクラブではなく、キャロルが父の選挙で惨敗したのは、ちょうど、美容学校を卒業してインターンのお店が決まっていた頃。1979年4月からその店にインターンに行かなければいけないのに選挙応援を理由に行きません。選挙が終わって行くという手もあったのに。美容学校時代に前夫とすでに知り合っていたのです。その当時は美容学校は一年でした。キャロルの同窓生は店主となって活躍している人々も多く、目を見張ります。頭角をすでに当時から現している人々もいました。キャロルは短大を中退したことで周囲をがっかりさせてしまうという前歴があり、なんとしてでも手に職をと美容学校を卒業したものの前夫と家庭を築く方を選ぶ・・・。お腹に長女を宿していたこともあった。でもそれは逃げだった・・・と今振り返ります。家庭という強固なバリアー域に逃避した。自分はいつも易き方に流れるズルい一面があるし、それが人生を難儀にしていました。よしんば逃げじゃなかったとしても、それを、立証定義付けすることが出来ません。少なくとも、同窓生はみんな国家試験に挑戦しています、キャロルは遅まきながら、ここに挑戦したい!という夢叶え容の気持ちを現在持っています。だから美容室に入るたびに自分ならこうしたい♪っていうのが出て来るのではないか?と。